2008年6月8日

電子辞書から学ぶこと

電子辞書の高機能化がとまらない。
電子辞書がだんだんとミニパソコンと任天堂DSに見えてきた。

グッドデザイン賞を受賞したミッキー型音楽プレーヤー等を発売する、韓iriverから名刺入れサイズの電子辞書を偶然見つけた。

「電子辞書はここまでスタイリッシュになる」を謳い文句に、デザインを全面におしている。
たしかにやぼったさが無くて、”デザインした”感じがにじみ出ている。
しかし、どことなくニンテンドーDSを意識している。いや、見えてしまうだけだろうか。
ただ、[D5]というネーミングはその思いを強めさせる。
D5DSD5DS
....偶然だろうか。

この電子辞書は、さすが”デジタルメディアプレーヤー”メーカーらしく色々できる。
音楽、動画、画像、ワード、エクセル、パワポが見れ、flashLiteやFMラジオも搭載。

最近の電子辞書は、ペン入力対応(DSの影響)やワンセグ機能付きの電子辞書などが発売され、高機能電子辞書がどんどん増えている。

ちなみに、電子辞書市場は(ケータイやDSの影響で衰退に思っていたが)増加している。
台数の増加もみられるが、金額の伸び率が大きく、一台当りの値段が高くなっている。JBMIAのデータより

しかし、電子辞書はもはや電子「辞書」ではなくなってきている。
故に、どうなっていくのだろうかと思う。

電子辞書は、1979年に登場した。IQ-3000.。
以来、常にQWERTY配列のキーボードを備えている。
また、クラムシェル型が主流である。
現在の電子辞書は、大きな画面と(ケータイに比べると)大きなキーボードとペン入力というUIを備えている。
ここにWIFIと電話通信が付加されれば、スマートフォンとなる。
その時、電子辞書の「辞書」は確実に消されるだろう。
又、DSはやはり脅威である。

一方、辞書の原型が「紙の辞書」であると仮定すると、
ノートサイズのペーパー状のデバイスはどうだろうか。
十分な検索機能と紙の辞書の感覚を融合させる。
すぐに検索できる既存の電子辞書の側面をもちながら、辞書を読むこともできる。
ともすれば、電子書籍との融合が自然かもしれない。
すると、やはり「辞書」の名は消えるだろう。


最後に。

電子辞書を海外に持っていくと、多くの外国人から驚かれる。
いかに電子辞書がドメスティックかつローカルであるか。
このことも重要なファクターではないだろうか。
国際競争力の意味では将来性が怪しいが、一方で日本語との関係が極めて深く、日本語とUIの関係を学ぶにはよい材料ではないかと思った。


参考:
電子辞書の歴史とこれから」沖縄大学
カシオ「EXWORD
シャープ「パピルス
ニュース「「一人1台」電子辞書

1 件のコメント:

  1. >音楽、動画、画像、ワード、エクセル、パワポが見れ、flashLiteやFMラジオも搭載。

    電子辞書にここまでの機能が必要かどうかはともかく、「ここまできたのか!」と思いました。
    最近の電子辞書はすごいんだねぇ…(^^;)久しぶりに電子辞書(電子手帳?)が欲しくなってきましたw

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