2008年5月24日

ふるさとケータイ

 この間総務省の報道記事を調べたときに気になった、ふるさとケータイについてまとめてみます。

 ふるさとケータイ事業とは、地域向けMVNO(Mobile Virtual Network Operator)のことです。MVNOとは、携帯電話などの無線通信インフラを他社から借りてサービスを提供している事業者を意味します。地方の活性化や産業創出、情報化の遅れやデジタルデバイドの解消を目的としています。

 具体的に考えられている提供サービスとしては、以下のようなものが挙げられています。
① 地域の高齢者が使いやすいような機能を一部限定した携帯電話サービス
② GPS(位置情報)機能を用いた高齢者や児童の居所確認のためのモニタリングサービス
③ 地方自治体・観光協会、青年会議所等によるイベント情報の提供
④ 台風や地震等の災害時等における関連情報の提供
⑤ 介護サービスや病院情報などの地域行政サービスの周知や当該職員の連絡手段としての活用

 地域に特化した、様々な便利なサービスが考えられますね。

 総務省では「ふるさとケータイ事業」の展開に向けて提案募集を08/03/14~4/14まで行っていました。その結果、40件の提案が寄せられ、公表されています。QRコードや位置情報などを利用した、ケータイならではの地域向けサービスが多数考えられています。
 (→ 提案結果はこちら

 なお、ふるさとケータイ事業の実現に向けた方策については、「デジタル・ディバイド解消戦略会議」において検討が進められています。また、6月に報告書の発行等が予定されています。

 ちなみに、MVNOはアメリカなどでは一般的なようです。MVNOが日本に導入され成功した場合、日本の携帯業界のビジネスモデルが大きく変わってしまう可能性があります。総務省の責任者(大橋秀行課長)は「現時点では携帯電話事業者の垂直統合型モデルはうまくいっているが,モバイルの新しいビジネスモデルを模索したい」と言っています。総務省はMVNOへの網提供を嫌がる携帯電話事業者に門戸を開かせるために努力しているようです。ふるさとケータイ自体のコンセプトはいいですが、裏でいろいろありそうですね。3キャリアともに「ふるさとケータイ事業」の提案を行い、その文中で協力すると言っていますが、形だけであまり乗り気でない印象を受けるのは私だけでしょうか?

 今度はMVNOについて調べてみたいです。


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1 件のコメント:

  1. どのキャリアが一番いい提案してますかねぇ・・・。個人的にはソフバンが一番残念な結果だと感じます。YHBBで持ってる回線を生かせばもっともっと革新的なインフラ整備とコンテンツ配信ができると思うのですがねぇ。
    まぁお金がないのでしょう・・・。
    とするとドコモかはたまたAUか・・・。

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