2008年5月9日

携帯ビジネスモデル

この間の研究会で西さんに教えていただいたメーカーとキャリアの関係について、日本と海外のビジネスモデルという観点から、まとめてみました☆
私みたいに携帯業界についてなんにも知らなかった!って方の参考になれば幸いです。

--- 日本の携帯電話のビジネスモデル ---

☆ 垂直統合モデル ☆
キャリアが指導的立場に立って端末やサービスの仕様を決定し、端末メーカーやコンテンツプロバイダはこれに従います。

メリット
新機能やサービス、それを活かしたコンテンツを足並みそろえて速やかに普及させることができます。
端末はキャリアを通じて契約商品として販売されます。
その後の通話料金収入を当て込んだ多額のインセンティブによって端末販売価格の大幅な値引きが可能となるため安くなり、多機能端末の普及も促進されます。

デメリット
利用者はキャリアと端末の組み合わせを自由に選ぶことができません。
電話番号とキャリアの関係はMNP(番号ポータビリティ)により自由化されましたが、キャリアと端末の関係は固定されたままです。
あるキャリアのもとで提供されているコンテンツを他のキャリアで利用することも難しいです。
料金体系が複雑で分かりにくくなります。


--- 海外の携帯電話のビジネスモデル ---

☆ 水平分業モデル ☆
キャリアは通信サービスの提供、端末メーカーは端末の開発にそれぞれ専念し、両者はほぼ対等の立場です。
GSM方式やW-CDMA方式では、SIMカードにより契約と端末が分離されているため、端末は単なる電気製品に過ぎません。

メリット
利用者は基本的には、キャリアと端末の組み合わせを自由に選ぶことができます。
コンテンツも特定のキャリアに縛られることもないです。

デメリット
端末販売価格は製造コストがそのまま反映され、特に高機能端末は非常に高価となり、なかなか普及しません。
端末やサービスの仕様については、最低限の共通規格を除けば端末メーカー次第で、新機能や新サービスのスムーズな普及も難しいです。

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日本の携帯業界の囲い込み戦略に不信感を持っていましたが、それが悪いことばかりじゃなくメリットもあったなんて知りませんでした。

1 件のコメント:

  1. >ayさん、
    ケータイの周りにある基本的な情報が、良くまとまっていますね!企業もなるべくお客さんは離したくないので、ちょっと理不尽に思えるぐらい縛りがきついですが、よく見ると「良かったこと」もありますね。

    そういえば、いま総務省からSIMをフリーにしよう、という動きがあります。そちらも調べたら面白いかも。(実際、ケータイキャリアの人も、それを気にしています)

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